「土つき・泥つきの野菜は長持ちする」を感情的に考えてみる

土つきニンジン
土つき、泥つきの野菜というとなんとなくイメージがいいですよね。
台所で洗い流すことを考えたら主婦としてはNGかもしれませんが、
農家直送って感じがする
長く保存できそう
新鮮そう
といったイメージはありませんか?

なぜ長く保存できるのか。
買ってきた野菜はすぐに使っちゃうから別に土つきじゃなくていいよ、なんて思わずに。
土つき野菜のことを解説しながら野菜の保存方法について触れていきますので、最後までご覧いただければ幸いです。


進学や就職には環境の変化が付きまとう

土がついて売られている野菜は、じつはそれほど多くありません。
大根、にんじん、ゴボウ、ネギ、ジャガイモ、里芋、サツマイモくらいでしょうか。
ほかにもありますが、一般的に知られている野菜を挙げればこのくらいです。

土がついているということは、当たり前ですが収穫する前は地面の下に埋まっているんです。
収穫をするということは、育った環境から切り離すということ。
環境の変化は、収穫されても生きている野菜にとって大きなストレスになるものです。

進学
人間でいえば。
大学に通うために親元から離れて独り暮らしをする。
県外で就職するために実家を出て社会人としての一歩を踏み出す。
これまでぬくぬくと快適に過ごしていた親との生活を終えて、自分の力で生きていくために独り暮らしをはじめるようなものです。
精神的に大きなストレスがかかります。
人によっては体調を崩したり、精神的に落ち込んでしまうこともあるほど。
親元を離れるというのは少なからずストレスがかかるものです。

野菜だって同じこと。
母なる大地、なんて表現がありますが野菜にとって土というのは自分を育ててくれた親みたいなものです。
そこから強制的に切り離されてしまう、そのストレスたるや相当なものだと思います。
そんなときに。
親のありがたみをほんの少しだけ、土を少しだけ持たせてあげる。
親と一緒にいたときの環境を、少しだけ残してあげる。
そうすることで収穫による突然のストレスを緩和してあげるわけです。

土をつけたまま売られている野菜というのは、収穫されたことによる環境の変化をすこしでも和らげてストレスを緩和させている、ダメージの少ない野菜だといえます。
故郷を思い出すことができるように土つきで売られている。
そのように考えてもいいかもしれません。

堅苦しい表現をすれば、
土の中にいたときの環境を少しでも残して、収穫によって生まれる環境の変化、腐敗や劣化を遅らせる効果をもたせる。
ということです。

また、土を洗い流すためにゴシゴシと表面に傷をつけてしまうので、鮮度の落ちが早くなる可能性はあります。
大根やジャガイモなど、調理する時には皮をむいたりすることがありますが、その皮は周りの環境から自身を守るためにあえて厚く固くしているものです。
その皮にゴシゴシと洗ってキズをつけてしまうなんて、食べる直前にやったほうがいいに決まっています。


長く保存するための4要素

土がついていれば長く保存できる、とはいうけれど。
野菜の鮮度を保つためにもっとも大切なことは温度と湿度です。
この二つをまずは満たしたうえで、さらに保存を長くしたいというときに土つきが生きてくるんです。

霜大根
寒い冬は、畑の野菜たちはほとんど動きません。
寒さに耐えていることに必死で、体を大きくする余裕なんてないんです。
生長しない、消耗しない。
現状維持。
温度や湿度を真冬のような気候にしてあげることで、収穫したあとの野菜であっても生長や消耗を避けることができます。
ここでさらに土がついていたら。
冬の畑でじっと耐えている様子を再現するようなものです。
野菜が錯覚してくれるかもしれません。
コタツにみかんを置いておけばたいていの人は動かなくなるように、野菜に土を与えておけば動かなくなるんです。
そういうもんです。


温度、湿度、土。
この3つが満たされていれば、野菜は収穫されたことに気づかず過ごしているはずです。
ここでもうひとつ。
忘れてはいけない条件があります。
それは、育っていた様子を再現するということ。
せっかく3つの条件を揃えていても、畑で育っていたときとは逆さまの姿で保存していたら、野菜を錯覚させることができません。

ニンジンを、茎葉がついていた部分を下にして保存してたら。
それは逆立ちをしているようなものです。
ストレスをかけてしまうのは分かりますよね。
できれば立てて、横にするくらいはいいと思います。
人間も横になるのは楽チンですしね。

 

というわけで。
土をつけたまま野菜が売られているのには、ちゃんとした理由があります。
なんとなくイメージがよさそうというだけではなくて、土がついていると野菜にはどんな効果があるのか、土がついていることで野菜はどんな気持ちになるんだろうか、と考えていくと洗い流してしまうのがもったいなくなります。
土つきの野菜。
手にとってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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