笑顔で楽しく育てていれば、それは野菜に伝わる

農薬を使わない有機栽培農家に共通して言えることですが、けっこうみなさん農業を楽しんでおられます。
野菜を育てることを、楽しいと思ってやっています。
難しい顔をして、眉間にしわをよせながら栽培しているわけではありません。
無気力で、なんとなく惰性でやっているわけでもありません。
自らが望んで、積極的に作物と向かい合って、本当に野菜づくりを楽しんでいる農家が多いなぁと感じます。

その理由はかんたんで、自らが望んで農業をやっているから。
やらされているのではなく、やりたいからやっている。
だから楽しいんです。

そんな有機農家に育てられた野菜はどのような育ち方をするでしょうか。
農家の跡取りで仕方なく農業をやっている、親に言われるままに野菜を育てている、そんな農家の野菜と比べてどんな違いがあるんでしょうか。
今回はそのような話になります。

 

野菜にとって生産者は親同然

野菜の立場でちょっと想像してみてください。
タネを播くところから始まって収穫を終えるまで、野菜からみれば農家は自分をずっと見てくれてお世話をしてくれる親のような存在です。
地面から顔を出したときに目の前にいて、そのあともことあるごとに手を焼いてくれる。病気になっても「自分で治せ!」といって農薬をかけてくれない有機農家は、野菜にとっては厳しい親のように映るかもしれないけど、病気にならずに健康に育つために前もって環境を整えてくれている愛にあふれた存在です。

過保護というよりは、どちらかといえばスパルタの匂いすら漂ってくるけど、いつも遠くで見守ってくれているような安心感があります。

さらに。
なんだか楽しそうにしています。
お世話をしているその働きぶりが、嫌々ではなく進んでやっている感があります。

野菜からみれば、農家は親のように常に近くにいる存在です。
生まれてから死ぬまで、ずっと見続けてくれる存在です。
だとしたら。
その親がどのような態度で接してくるのか、どのような気持ちで接してくれるのか、これって野菜にとって少なからず影響があると思いませんか?

 

親をみて子は育つ

親がどのように子どもに接してきたのか。
子どもは親という存在をどのように感じてきたのか。
ある程度自立してしまえば影響は少ないですが、実家にいてお世話になっているときは親の言動や行動などに子どもは大きく影響を受けます。
親の口ぐせから始まって、考え方や生き方なども意外に影響を受けているものです。

ベジッコダンサーズ
(画像:ベジッコダンサーズ)

これがそのまま親・農家と子・野菜に当てはまるかといえば、おそらく口ぐせなどが野菜に移ることはありえないでしょう。
でも。
優しく接していれば優しい子に。
厳しく接していれば眉間にしわが寄った子に。
親が楽しそうに接していれば、のびのびと育つ。
野菜の生育にも少しは影響があってもおかしくないのでは?と思います。

だからこそ。
ふだんから楽しそうに仕事をしている農家に育てられた野菜は、その気持ちが伝わってのびのびと元気に育つ気がします。
あんまり難しく化学的にどうこうとか考えなくても、なんとなく前向きな気持ちの農家に育てられた野菜のほうが美味しそうな気がするよね。
という話です。

 

日々の忙しい仕事に追われて野菜に接する態度が悪くならないように、ゆとりをもって畑に立ちたいなぁと思ったりする、今日この頃です。

 

 

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