野菜農家の苦悩 理想と現実

野菜農家としてどうなりたいか。
どんな野菜を育てたいか。
という理想は、私だけではなくほとんどすべての農家が持っているものです。
種をまいたら100点満点の品質で100%すべて収穫したいと思ってるし、いずれそうなるようにトライアンドエラーを繰り返しています。


素晴らしい野菜を育てて、たくさんの人にお届けしたい。
農家はいつも思っています。
でも、うまくいかないときもあります。
というか、いつも理想とは程遠いです。
なんで大きく育ってくれないんだろう。
なんでこの病気が出てしまったんだろう。
なんでこんなに虫に食われてしまったんだろう。

頭の中で考えているような理想的な結果になることなんてほとんどありません。
私だって。
ブログ記事ではいつも偉そうに書いているし、高々と理想を語ったりしているけど、現実はそのとおりになっていないこともたくさんあります。

 

野菜栽培で100点を取ることは難しい

美味しさ7つの要素
有機野菜は美味しいぞ。
7つの条件を満たしたときに、野菜は100点満点の美味しさに辿りつくんだ。
といつも呪文のように言ってますが、正直に吐いてしまえば美味しくないこともあります。

野菜の美味しさを決める7つの要素

栽培に失敗して味に影響してしまったこともあれば、品種を選び間違えて食べてみたら美味しくなかったということもあります。
この時期にもホウレンソウがお届けできたらいいなぁ、と思いながら旬ではない時期にホウレンソウを育てて
「あーやっぱり美味しくない」
ということもあります。


それでも前に進むしかないんです。
いつも100点の野菜をお届けすることはできないかもしれないけど、私たちは農家であり農業経営者であり、農業収入で家族を養っている生活者なんです。
野菜を売って収入を得ていかなければならない立場なんです。
いまは栽培技術が未熟で50点くらいの野菜かもしれないけど、5年後には80点をとれるように日々の努力を重ねるしかないんです。
日によっては100点の野菜がお届けできたり、また別の日には60点くらいのイマイチな野菜をお届けしてしまったり、長雨や干ばつや台風など気候の変化だけでも点数は変わってしまうんです。

毎日、100点の野菜をお届けすることは難しいです。

 

でも。
だからといってあきらめてしまったらそこでおしまいです。
昨日より今日。
今日より明日。
一歩ずつでも進んでいれば、いつか理想とする野菜をお届けできるようになる。
そう信じて、毎日畑に出ているんです。

おそらくほとんどの農家がそうだと思います。
1年前のものよりもいいものが出来上がるように、日々努力をしています。
とくに。
常日頃から勉強を欠かさない、向上心が強い農家は確実に前進していってます。
気候変動を受け入れながら、そこに対応できるように経験値を積み重ね、安定して高得点の野菜をお届けしていく。
熟練の農家がいいものをお届けできるのは当然ですよね。
積み重ねてきた経験値が違いますから。

 

家庭内での理想と現実

叱る母

家庭でも同じですよね。
お子さんをお持ちであれば分かると思うのですが、子育てにはそれぞれの親がそれぞれの理想をもっています。

とにかく健康であってくれたら満足
一流大学を出て一流企業に就職してほしい
世渡り上手な子に育ってほしい
人にやさしくできる他人の気持ちが分かる子になってほしい
人の上に立つようなカリスマ性のある子になってほしい


こう育ってほしいと願い、そうなるように子どもと向き合います。
その理想に向かって、どのようなことを子どもに与えて、どのように接していったらいいのかを考えます。
でも。
日々の生活で追われてしまって、理想とは程遠い一日を過ごしてしまいませんか?
あー今日もやってしまった・・・。
と後悔したりしませんか?

毎日を笑顔で楽しく生きていきたい、子どもたちとは笑って過ごしていきたい、と思っていてもついつい怒ってしまうことってありませんか?

理想と現実。
そのギャップに愕然としてしまうことはたくさんあります。
それでも生きていかなければならないんです。
時間は流れているし、後戻りできないんです。
できるかぎりのことをしながら前に進むしかないんです。

 

ばらつく点数をどう評価するのかは買い手と作り手の関係による

いつも100点をとれる農家はそうそういません。
50点くらいのこともあれば80点くらいのこともあります。
お届けする野菜は、その時々で点数がちがってしまいます。
前回の発送では80点くらいだったけど、今日のはなんだか出来がよくない。
60点くらいしかつけられないなぁ。
いいときもあれば悪いときもあるんです。

でも。
60点だからといって出荷しないわけにもいきません。
もちろん40点に満たないような赤点野菜は出荷対象から外しますが、多少出来が悪くても畑で必死に大きく育ってくれた野菜たちをお届けしないのはもったいないからです。
だからこそ。
今回のはスミマセン、いまいちの出来です・・・
今回のは完璧です、限りなく100点です!
といった状況をお伝えすること、情報を発信することが農家には必要なんです。
この野菜は、こういう経緯があってイマイチの出来だけど、力強く育った生命力にあふれる野菜です。
というような説明が必要なんです。
そんな説明があってこそ、気候によって左右された野菜の品質がバラバラであっても、いつも満足して食べることができるんです。


野菜を購入するみなさんが出来ることは。
野菜の出来について農家の声が聞ける、そういう情報発信をしている農家から買うこと。
ではないでしょうか。

すこしでも参考になれば幸いです。

 

 

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