松本自然農園
 
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家なき子の誕生
2006年2月中旬
アパート契約から約1ヶ月がすぎて2月中旬。
引っ越し予定日の5日前のこと。
市役所からメールが届きました。
ん?相談していた農地の件だな・・・なになに、空き家があるって?
23日に詳しい話ができると思います、って?
なにーーーーー!
引っ越し5日前にして心が揺さぶられるメールでした。
この空き家、果たして本当に借りられるのかわからないし、ブツを見てみないとなんとも言えない。
家賃だってわからない状態。
でも、もし借りられるとしたら、決まっている次の新しいアパートに引っ越すわけにはいかない。
引っ越してしまえば莫大な初期費用のこともあるから数ヶ月で退去しようなんて思わないはずだ。
アパート農業がしばらく続くことになってしまう。
農家にはやはり一軒家が必要だと思う。
幸いなことに、契約してしまったとはいえ新アパートにはまだ入居していない。
今なら契約解除できるかもしれない。
でも5日しかないので時間をうまく使って事を進めないと大変なことになる。


★★★2月15日(家なし生活9日前)★★★★★★★★★★★★★★

朝、会社へ出勤する前に空き家を観に行く。
場所はすぐにわかった。
2階建てだ。
外見からするとボロさを感じるが、そんなことは気にしない。
納屋がある。
車庫がある。
庭がある。
こりゃすごい。
地理的にも、物件的にも不満はない。
空き家住まい計画、まずは好印象の発進。

夕方、退社して家に戻るとすぐに不動産屋に電話をかけた。
新アパートを契約解除するためだ。
もうすでに契約を済ませているので直前の解除は怖かったが、空き家情報がある以上は住んでしまうわけにいかない。
住んでしまえば初期費用が吹っ飛ぶから。
おおまかに事情を話したが、担当者が休みとのことで詳しい話は次の日になってしまった。
引っ越し日まで残り4日なので焦る。


★★★2月16日(家なし生活8日前)★★★★★★★★★★★★★★

会社から帰ってきて夜、不動産屋から電話がかかってきた。
順を追って事のいきさつを説明し、直前で非常に申し訳ないけど契約解除の手続きを進めてもらうことになった。
そして別の所に電話。
今住んでいるアパートの管理会社だ。
「入居期間をすこし延長したいんですが・・・。」
「申し訳ありません。次の方の入居が決定しているのでできません。」
・・・
まじ?
新アパートに入居するわけにはいかないから契約解除を進めているし、空き家を借りられるかどうかわからない状態。
そして現アパートの退去決定。
まずい、非常にまずい。
住むところがなくなってしまう。

どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう。
落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け。

ちょっと頭の中を整理しよう。
退去日は24日。
市役所で空き家についての詳しい話を聞けるのが23日。
引っ越し先を空き家にするには時間的にムリがある。
もし空き家を借りられたとしても、24日に間に合うわけがないから一時的に住むところが必要だ。
一時的に?
なんだそりゃ?
そんな都合のいい住まいを不動産屋から求めるのはムリ。
じゃあ、どこに?
・・・・・・・・・
誰かの家に居候させてもらえばいいのか・・・。
・・・K君なら頼めるかな・・・
荷物はどうする?
・・・Sに置かせてもらえるように交渉してみるか・・・


★★★2月17日(家なし生活7日前)★★★★★★★★★★★★★★

電気・ガス・水道・電話
現アパートと新アパートについて開栓・閉栓をお願いしてしまっていたので、新アパートの方は全て解除してもらった。
現アパートについては20日閉栓としていたけど、退去期限である24日まで延長してもらった。
これで24日までに引っ越しを完了すればいいことになった。


★★★2月18日(家なし生活6日前)★★★★★★★★★★★★★★

こんな大変な状況ではあるけど京都へ行って来ました。
「第11回自然農法・EM技術交流会」
のため。
農業研修先である自然農法センターと関わるイベントなのでどうしても行きたかったのです。
腹をくくって行ってきました。


★★★2月23日(家なし生活1日前)★★★★★★★★★★★★★★

空き家について詳しい話が聞けるという23日がやってきました。
市役所農政課に出向きます。
行くと松平の農業委員さんがおられて、農政課の職員さん2人とあわせて4人で話をすることに。
簡単な紹介を済ませて、さっそく空き家について。
・・・ん?
松本君に借りるという意思があるなら家主さんに話してみるけど、って?
え?
もうすでに聞いてくれていたんじゃないの?
空き家を借りられるかどうか、その結果が欲しくてドキドキしながら市役所にやってきたのに実はこれから交渉に入るとは。
思っていた以上に動きがにぶいようです。
けど地元密着の農業委員さんに会えたのは大変な成果だし、話の流れからすると交渉しだいではあるけど空き家は借りられるんじゃないかという話だった。
ゆっくりだけど着実に進んでいると思いたい。
早く「貸してあげるよ」という一言が欲しい。
家なき子の切なる願いです。


★★★2月24日(家なし生活スタート)★★★★★★★★★★★★★★

空き家が借りられるかどうかも分からないまま現在のアパートの契約が切れました。
今日が退去日です。
朝早く起きて、すべての荷物を運び出し、ブレーカーを落として玄関の鍵を閉めると

あーどうなるんだろう、これから

という不安が襲ってきました。
そのまま会社に出勤しましたが、気持ちはとんでもないダークブルーです。
家なき子はさっぱり仕事が手につきませんでした。
でも今日くらいは勘弁してください。
このうえなく気持ちが不安定なんですから。
仕事が終わって退社後、不動産屋に鍵を渡しにいきました。
これで本当にジ・エンド。
僕の安住の地はどこにあるのでしょうか。
今日からしばらくはK氏のもとに身を寄せます。
いつまでお世話になるのか見当もつきませんが、あまり長く居候するわけにもいかず、どこかでなんらかの決断をしなければならないでしょう。
とにもかくにもヤドカリ生活、スタートです。
今回のまとめ
・引越しの5日前に空き家情報が飛び込んできた。
・空き家情報は不確かで何も決まっていない状態だが、これに賭けたい。
・新アパートは契約解除できたが、現アパートは退去が決定。家なき子が誕生。
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