コレステロールは悪者ではない

2015年5月1日、動脈硬化学会からコレステロールに関する声明が出されました。
http://www.j-athero.org/outline/cholesterol_150501.html
その内容は

「コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せないことからコレステロールの摂取制限を設けない」
「高値となった血中LDLコレステロールを減らすためには、生活習慣、運動、食事など包括的に修正することが大切であり、コレステロール摂取のみを制限しても改善はほとんど期待できない。」

というものですがようするに
食事では体内のコレステロール値は変わらない
と言っています。

心筋梗塞や脳梗塞などにつながる動脈硬化のリスクを高めるとして悪者扱いされてきたコレステロールですが、食事制限など脂っぽいものを避けてヘルシーな食事を心がけてきたことは動脈硬化への影響に関しては無駄だったということです。

コレステロール=悪を信じてきた人たちにとってはどれほどの衝撃なんでしょう。
朗報でしょうか?
コレステロールを低下させる!的な商品を販売している人には悲報でしょうか?

いずれにしても今回の声明は、世間に対してかなり大きなインパクトだったはずなんですが、ほとんどメディアにのってきていないのは気のせいでしょうか?
いろんな分野でかなり大きな影響があるかもしれないのに、大きく取り上げたくない理由があるんでしょうか?
僕が変な勘ぐりをしたってどうなるもんでもありませんが。

有機農業の世界にもコレステロールほど大きなもんじゃないですが、この手の話はまあまあありますよ。
農薬や肥料の安全性についてだとか、タネのF1雄性不稔の問題だとか、有機野菜の味の評価だとか、農業の環境破壊問題だとか。
信頼性の薄いデータが根拠のもとだったり、発言者が想像している仮定の話だったり、いまのところ事実を大きく覆してくるような衝撃は来ていませんが、このさきも何もないのかと言われればそんなことはありません。
いつ襲われてもいいように心構えはしなければいけませんし、その事実がもし自身の経営を危うくさせるものだとしても隠すようなことはしたくないと思います。

ひとまず今回のコレステロール問題で僕が気にするとすれば
ヘルシー志向が薄まらないほうが野菜農家としてはうれしいなぁ
というところでしょうか。

やっぱり自分の立場に都合よく考えてしまう小市民なのでした。

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