どこで買うべきかシリーズの5回目です。
今回は品質について書いていきます。

前回までの記事
有機野菜や無農薬野菜はどこで買うべきか その1
有機野菜や無農薬野菜はどこで買うべきか その2 安全性 
有機野菜や無農薬野菜はどこで買うべきか その3 価格
有機野菜や無農薬野菜はどこで買うべきか その4 鮮度

まず最初に品質とはなにか、についてはっきりさせておかないと話がわかりにくくなってしまいます。
品質というとけっこうひとによってとらえ方が違いますから。

品質という言葉は定義がけっこうあいまいなもので、Wikipediaでも非常に広範な概念を含む語としています。
それでも

提供される製品やサービスについて、買い手側である顧客(消費者)が求める特性との合致度と考えられる

というふうにある程度の方向性を定めています。
また、食品については味、風味、香り、安全性、色合いの項目を挙げて品質に関わりがあるとしています。
これに従って書こうとすると味や安全性については表の他項目で取り上げているので、これまでに書いたもしくはこれから書く内容とかぶってしまいます。
というわけで今回、品質として書くことは製品のばらつき、規格、信頼性などについてです。

スーパーで野菜を買っているとあまり気にならないことがあります。
商品のばらつきです。
並んでいる野菜はどれも均一なサイズで形がそろっています。
曲がっているキュウリなんてほとんどありませんし、大根の大きさもだいたい同じようなものです。
だから買う人とすれば、いちいち細かく吟味しなくてもパッと手に取ったものを買ってしまえばそれで済んでしまうわけです。
どれを買ってもだいたい同じ。
というか、商品のばらつきをあまり気にすることはないのでは?
陳列してある野菜を手に取るときに、ひとつひとつの形が違っていたり大きさが違っていたり、さらにいえば味が違っていたりしたら、それはもう気合いを入れて買い物に臨む必要がでてきます。
だからどれをとってもだいたい同じ、ばらつきのなさというのは買い手に安心感を与えます。
それは商品に対する、もしくは店に対する信頼性につながります。

でもそれは、裏を返せば生産者が規格を揃えるための努力をしているということです。
負担をしている、といってもいい。
形や大きさがそろいやすい品種を選んだり、水管理や温度管理を徹底したり、サイズをきっちりそろえるために一日3回に分けて収穫したり。
形や大きさがそろう、というのはもちろん栽培するうえで重要なことだし、そこに育つ野菜が均一に育つ条件を整えることは農家として最低限求められる技術です。
でも、それが度を過ぎているときがあるんです。
キュウリがほんのすこしカーブしていることの何が問題ですか?
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オクラの長さが1cm違っていたら許せませんか?

度を過ぎた規格は、農家の首をしめることにつながります。
本来かけなくてもいいはずの手間をかけることになります。
出荷されずに畑で廃棄される規格外の野菜が増えます。

これはスーパーなどの小売店が、厳しい規格であったほうが売りやすいということがあるかもしれません。
流通する段階で、曲がったキュウリは箱詰めしにくいとかサイズが違うと価格がつけにくいとか、そんな都合があるのかもしれません。
とはいえ、(日本人の気質がそうさせるのかもしれませんが)もうすこしゆるい規格を、もうすこしばらつきを認めたほうが食べる側にとって良い部分が増えると、個人的には思っています。

ということで表の解説です。
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今回も無農薬うんぬんはあまり関係がありません。
一般的に、ばらつきという観点からみた品質については、取り扱う量が多ければ規格が厳しくなってばらつきがなくなっていきます。
ですのでそれがそのまま表に反映された形になっています。
ここで注目したいのは地域の直売所や朝市、無農薬栽培農家の△。
これはもちろん小さな規模の農家がほとんどだから、という見方は間違っていませんけど、それ以上に大きいのは直販の形をとることが多いからという点です。

お客さんに直接売るから、少々のばらつきは許していただける。
そのばらつきを認めてくれるお客さんに対して売っている。
ということが言えると思いますし、言い方をかえれば
ばらつきをなくして買い手に安心感を与えているのがスーパーなどの大手販売業者だとすれば、顔の見える関係を築いて見た目じゃないところに安心感を与えているのが小さな規模の農家、ということが言えると思います。

それともうひとつ、無農薬栽培農家というのは栽培に関しても販売に関してもそれぞれの農家が独自のノウハウを持っています。
こだわりが強いので農家によって個性が強く出てきてしまいます。
それは見た目だったり野菜の種類・品種だったり、味や規格だったり様々です。
つまり、農家によってばらつきが大きいんです。
当たり外れ、という意味ではありませんが規格という点からいえば規格外のものが多いんじゃないでしょうか。

それはそれでおもしろい、ふつうの野菜に満足できない方が辿り着く桃源郷のような存在だととらえれば小さな農家の存在は貴重だと思うのですが。
いかがでしょうか。